FileMaker Pro 16 から、レイアウトモードに「レイアウトオブジェクトウインドウ」が実装されました。

簡単に言うと『レイアウト上に存在するオブジェクトを、レイアウトオブジェクトウインドウ上で一覧して見ることができる』という機能です。

下の図は、一通りのオブジェクトをレイアウト上に並べたものです。

レイアウトに存在するオブジェクトが、レイアウトオブジェクトウインドウ内に並んでいます。

ポータルや、タブ・スライドコントロール、ポップオーバーには、自身に属するオブジェクトがツリー状に表示され、同じくグループ化されたオブジェクトも、グループを起点としてツリー状に表示されます。
各オブジェクトに設定したオブジェクト名は「インスペクタ → 位置 → 名前」で確認できます。オブジェクトに名前が付いていない場合は、「テキスト」や「Web ビューア」など、各オブジェクトのデフォルト値が表示されます。
このオブジェクト名を選択すると、該当のオブジェクトが選択状態になります。
複数選択することや、検索ボックスの左のアイコンから、オブジェクトの種類で簡易的に絞り込みを行うことも可能です。
オブジェクト名は、レイアウトオブジェクトウインドウ上部にある、検索ボックスを用いたオブジェクトの絞り込みにも使えるので、オブジェクト名の命名規則に気を使うことで、開発効率を上げることができるかもしれません。
さらに、レイアウトオブジェクトウインドウ内の各オブジェクトにマウスカーソルを持っていくと、オブジェクト名の右側に目のようなマークが表示され、このマークを押すと、そのオブジェクトを一時的に非表示にすることができます。

非表示にしたオブジェクトを再度表示させるには、非表示のオブジェクト名の横の、目に斜線のマークを個別にクリックするか、オブジェクトの検索ボックスの右にある目のマークをクリックすることで、一括再表示をすることができます。

次に、オブジェクト名を右クリック(または2本指タップなど)をすると、

  • 他のオブジェクトをすべて隠す
  • 前面のオブジェクトを隠す
  • 前面および背面のオブジェクトを隠す
上記3つの操作に加え、適用可能なオブジェクトの場合には、以下2つの設定が可能です。
  • 条件付き書式の設定
  • スクリプトトリガの設定

ちなみに「前面のオブジェクトを隠す」と「前面と背面のオブジェクトを隠す」の判定は、最低 0.001 (cm, pt, in) オブジェクトが重なっていることがが条件のようです。ちなみに、前述のツリー状にまとまったオブジェクト同士は、この判定の適用外です。

最後に、この機能が、開発にどのようなメリットがあるのか考えました。
あくまで一例ですが、特に 1 や 5 あたりは、この機能の便利さを実感しやすそうです。

  1. オブジェクトが複数重ねてあり、上のオブジェクトを移動させないと下のオブジェクトを選択しにくいときに役立つ。
  2. オブジェクトが大量にあるときや、オブジェクト自身が小さいとき、対象オブジェクトに名前をつけておけば、一発でそのオブジェクトを発見できる。
  3. 選択しにくい 0幅タブを容易に選択できる。( 0幅タブの利用価値があるかは別ですが)
  4. スライドコントロールの設定を開かなくてもパネル切り替えができる。
  5. グループ化されたオブジェクトを、グループ化を解除せずに選択できる